瑞草（ソチョ）にオープン・ユ·ヒョンジュン(유현준)氏が手掛けたカフェ

韓国へ訪れると建築の面白さを感じることがあります。
例えば聖水（ソンス）。
むき出しになったコンクリートを生かし、空間を演出、
フレグランスブランドのショップが誕生した時は
あの斬新さに驚きました。
これはもはや発想の豊かさ、広がるイメージの実現力、など
圧倒的なエネルギーがあふれているなと思います。

そのような建築を見ていてとても面白いカフェを発見しました。
韓国で実力派として知られている建築家の一人、
ユ·ヒョンジュン(유현준)氏が手掛けたカフェ・EERO。
建築物、そしてその空間を体感し、楽しんでほしい、
そこに添えられたものがカフェ、というイメージ。
実際空間に身を置いてみるとEEROのデザインやインテリア感覚は
展示空間のようなコンセプトの印象です。
建築のテーマは韓国伝統のヘチ（獬廌）。
これは物事の是非を判断する神獣であり水を管理する動物、と言われています。
そのためか、このカフェのあちこちには水が面白く表現されているのです。

食材にもそれぞれ意味があるスイーツは美味

カフェだけでも過ごせますが、
オリジナルスイーツを味わうことで空間の面白さをさらに体験できると思います。
代表的なスイーツメニューはこちら。

緑色のものは春・夏・秋・冬、と春夏秋冬シリーズとなっている
スイーツ神樹林シリーズ。
こちらは夏バージョン。
ベースの玄米は日本でいうポンポン菓子のような軽い食感、
そのうえに
済州島（チェジュド）の特産品であるハラルボン（デコポン）をマーマレード状にしたものを重ね、トップはクリームムースで仕上げています。
それぞれ食べても良いですが、これは3層一緒に召し上がるのがベスト。
食感、酸味、そして軽やかなクリームの甘さが見事に調和するのです。

コーンサブレサンドとヘチクリームラテ。
サブレはトウモロコシのクリームが挟まれ、これが香ばしさと甘さを
丁寧に表現しています。
合わせるラテは黒ゴマのクリームがトッピングされたもの。
このゴマの感覚がスムーズで美味しい。コーンサブレサンドの香ばしさと
すごく合います。これは選んで正解！な組み合わせです。

ヨモギの香りがしっかり感じられるバスクチーズケーキ。
今、ソウルでは密かに人気になり始めているバスクチーズケーキ。
こちらではヨモギを生かしたアレンジを楽しめます。
この味わいはなかなかお目にかかれません。
ヨモギの風味がしっかり活かされている。
カラダに良さそうな気分になります（笑）。

カフェとして地下にも空間が広がります。
ここは洞窟のような感覚。繊細なディテールが表現されています。
1階の入り口やテラスとは真逆の印象。
これは訪問する時間帯で使い分けしてもよいかもしれません。
平日は近隣の方々で賑わっていますので、
できれば週末の午前中がおすすめです。