牛肉のコラーゲン・トガニタンは虜になる味

江南（カンナム）エリアはまさに地元の方々で賑やかな通りがたくさんあります。
とてもディープで観光客の多いエリアでは見かけない
韓国料理のお店もたくさん並んでいます。
その通りに、いつ前を通っても食事をしている方がたくさんいて
皆さん同じメニューを楽しんでいるお店があります。
観光客からしたら非常にレアな食事、とわかりました。
でもローカルに方からみたらかなり普通。
「あ、トガニタン食べようよ！」と
軽く選択肢に上がってくるメニューの専門店です。

ではトガニタン、とは何か。
簡単に説明します。
トガニタン＝牛の膝軟骨、です。
つまりコラーゲンのかたまり。
このゼラチン質が濃厚で美味なのです。

こちらのお店は青瓦台（チョンワデ）に食材を届けていた実績を持つレストラン。
このトガニタン、作り方は非常に大変で
一つ一つ手で洗い、２回茹でこぼし、４時間以上かけてじっくり煮込みます。
キッチンを見ているとおじさまが大釜につきっきり。
首からタオルをかけて釜を見張っているのです。
日本でも食べたことがありますが、
全く別物、と言ってよいかも、と思ってしまいました。
きっと処理の仕方が違うのかなぁ…
とにかくこのトガニタンはずっとつまんでいられます。
味付けは自分で。
塩、胡椒、ごま油、でいただきます。
ニラとえのきは箸休め的存在。

ゼラチンの部分はぷりぷりです。
軟骨部分は柔らかくなっていて食感も楽しめる。
焼き鳥のやげん軟骨をもっと柔らかくしたイメージ。
いわゆる独特な香りはありません。
美味しい香りだけがそこにあります。
あぁ、これが日常的にあるとは…
韓国料理の偉大さを感じます。

スパークリングワインスタイルのマッコリとチヂミも美味しい

日本でも密かにブレイクしているマッコリがここにもありました！
スパークリングスタイルのマッコリ。
これは開けるのに５分必要です。
通常のマッコリは開ける前にボトルをゆらして沈殿しているものを混ぜます。
しかし！このマッコリはそれをしてはいけません！
ガス圧があるので、少しずつ蓋を緩めることで沈殿しているものが
自然に混ざる、という流れなのです。

ですのでゆーっくり、ゆーっくり。

これを開けるのは見ていてもドキドキします。
泡の勢いがすごいので３センチくらい蓋を回したらすぐ戻す、を繰り返す。
これを7-8回繰り返して、仕上げもゆーっくり蓋を開けて
ようやく飲めるのです。

このマッコリに合わせてほしいのがニラのチヂミ。

この薄さ、みてください。
野菜を食べている！という感覚です。
小麦粉は軽く合わせているだけ。久しぶりにこの薄さに出逢いました。
これは本当に美味しい。まさに野菜を焼いている、という感覚。
マッコリと合わせると、マッコリの濃厚さが引き立ちます。
この組み合わせ、このレストランでしかできない。

最後にスープ。
これはトガニタンをオーダーするとサービスで登場します。
トガニタンを煮込んだ時にできるスープです。
味は塩・胡椒を自分調整します。

めちゃくちゃ濃厚！これは本当に美味しい。
自然の味、スープそのものの旨みってこういうことなのか！

覚えておきたい1軒です。
牛肉料理、素材の面白さを体験できると思います。