Chef PROFILE

田篭 彬さん L’ÉTERREシェフ
田篭 彬さん L’ÉTERREシェフ

L’ÉTERRE シェフ

田篭 彬さん

1984 年 福岡県生まれ。
中村調理専門学校卒業後、全国にレストランを展開する株式会社ひらまつに入社。
パリ・東京・京都等の各地のレストラン「ひらまつ」にて16年研鑽を積み、
2021年退職。
2023年2月東京・神楽坂にオープンしたL’ÉTERREの料理長を務める。

“ご家庭で簡単に作れるフランス料理”を
田篭シェフが徹底追求。
追求の末、誕生した3品のアレンジレシピを
掘り下げていきましょう。

アサリと鶏肉のマリニエール調理風景

アサリと鶏肉のマリニエール
(チャミスル蒸し)

アサリと鶏肉のマリニエール調理風景

このメニューのこだわりを教えてください。

まずフランス料理でいう”ムール貝の白ワイン蒸し”のイメージで作りました。
白ワインですと爽やかさな風味を出せるので、チャミスルはレモンを加えてそれを意識しています。
鶏もも肉を足した理由としては、実は鶏もも肉とアサリの旨味が最高に相性がいいんです。
実際にフランス料理でも合わせたりすることがあるんですよ!
そして刻んだキムチを加えることで全体に味がなじみ、どこを食べてもキムチがアクセントになります。

調理ポイントを教えてください。

鶏もも肉の皮目をしっかりカリッとなるまで焼くのがポイントです!
しっかり焼かないと食べた時に、ぶよっと柔らかい食感になってしまい美味しさが半減してしまいます。
あとは食材を蒸すときに、蓋を開けないようにしてくださいね。湯気が蓋からあふれてくるのをじっくり待ってください!

食材選びはどのようにしましたか?ポイントがあれば教えてください。

ご家庭でも作れるということを考えて、一番お手頃なアサリをチョイスしました。
貝類は美味しい出汁が出るので、もしムール貝やシジミなどがあったら、置き換えても美味しいですよ!
チャミスルも今回はノーマルなのを選びましたが、さまざまなフレーバーがあると思います。レモンフレーバーのチャミスルを使用するかも迷いました。なので、レモンを入れずレモンフレーバーのチャミスルを入れてみても面白いと思います。
あとはタイムですね、タイムはニンニクとの相性が良くて今回の食材によく合うと思い選びました。ただタイムがご家庭にない場合も多いと思います。その場合、例えばバジルなどはご家庭で育てている方も多いと思いますので、そのようなハーブを足すことで、よりフランス料理らしさを出せるのではないでしょうか。

田篭シェフの写真

スパイスを効かせた手羽先の
ヤンニョムフライドチキン
鶏がらスープ添え

田篭シェフの写真

このメニューのこだわりを教えてください。

僕はヤンニョムチキンが好きなので、何かアレンジができないかと考え考案しました。
手羽先のちょっとしたアレンジテクニックもご家庭で試していただけたらと思っています。
韓国のヤンニョムチキンは、ヤンニョムをからめたイメージですが今回はフライドチキンのカリカリ感も重視したかったので、あえてヤンニョムソースをディップするスタイルにしました。
フライドチキンでは使用しなかった手羽先の切り落とした部分も、勿体無いのでスープとして作っています!

フライドチキンを手持ちにしたアレンジテクニック(下処理)について教えてください!

テキストでお伝えするより動画を見ていただくのが一番わかりやすいと思いますが、骨と身をつないでいる筋をカットし、身を片側に寄せて手持ち部分を作っていただくと、おしゃれにお召し上がりいただけると思います!
あと下処理を行う際に注意していただきたいのが、量をたくさん作る場合、夏場は特に途中途中に冷蔵庫で冷やしながら作っていただいた方が、いいと思います。

韓国のフライドチキンもカリカリしていますが、今回もそのカリカリ感を出すために気をつけなければいけないことなどはありますか?

葛粉をまぶして揚げたことが一番のポイントですね。ただ葛粉はなかなか珍しいかもしれませんので、米粉やコーンスターチ、小麦粉などでも代用できるので何かしらコーティングしてあげることがポイントですね。
あと、フライパンに油を敷いて焼いていただくのも調理方法としては問題ないのですが、多めの油で揚げた方が、全体的に油がまとうのでよりカリカリ感を出すことができます。

シラスとズッキーニのチャプチェ調理風景

シラスとズッキーニのチャプチェ風

シラスとズッキーニのチャプチェ調理風景

このメニューのこだわりを教えてください。

白ワインビネガーを入れることでさっぱりした味わいに仕上げました。
ただ白ワインビネガーだけだと、味気が足りないので醤油やごま油を足して香りを出しています。
ズッキーニは春雨とからみやすくするために細切りにするのがポイントです!

食材の選び方について詳しくお聞きしたいです。

ズッキーニは韓国ではよく食べられる食材ですよね、そしてこれから夏に向けて美味しくなる食材なので、ズッキーニを味わっていただきたいと思い、あえてニンジンや玉葱などチャプチェに入っている食材は入れずズッキーニのみにしています。
そしてシラスなどの魚介類とディルの相性が抜群なので、合わせてみました。
ごま油は韓国の風味を出しつつ、春雨を茹でて水を切った後に加えることで春雨がくっつかないようにしています。
ディルもタイムのようになかなかご家庭にない場合もあると思いますが、その際には爽やかな香りの青じそなどにしていただいても相性がいいですよ!

全3品作っていただきましたが全体的なメニューのテーマを教えていただきたいです。

まず「ご家庭で簡単に作れる」というところを重視しました。
そして”香り”。韓国料理にはない香りの使い方を、ハーブ・スパイスなどで表現しています。

韓国料理とフランス料理の共通点はありましたか?

オイルをうまく使うところは似ていると思います。和食ではなかなかオイルを使うことが少ないですよね。
フランス料理ではEXバージンオリーブオイルやバターなど、韓国料理ではごま油など使いますよね。その視点から、「ここはごま油にしてみよう」などオイルを入れ替えみたり、共通点が見つけやすかったです。

逆にここは全く違うなと感じた点はありますでしょうか?

香辛料ですね、フランス料理はあまり香辛料を使わないです。
韓国料理は唐辛子などがよく入っていますが、辛味の刺激というのがフランス料理には少ないと思います。

今回は韓国料理×フランス料理のアレンジレシピを作っていただきました!最後に今後の目標や挑戦してみたいことなどはありますか?

中国料理とフランス料理のコラボレーションはやったことがあります。
次に挑戦するとしたら、タイ料理やベトナム料理などアジア系の料理とのコラボレーションをしてみたいです。
フランス料理は歴史的に様々な国の文化を取り入れている元々複合的なジャンルだと思うので、合わせやすいと思います!

L’ÉTERRE店内 L’ÉTERRE置物
RESTAURANT
Information

お店情報

店名 L’ÉTERRE
住所 〒162-0825 東京都新宿区神楽坂3丁目6−53 とぎやレジデンス2F
TEL 0363881312

*許可を得て撮影掲載しています
*店舗情報に関してSMTOWN OFFICIAL JAPANにお問い合わせいただいても対応できかねます。直接店舗へお問い合わせください

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