益善洞(イクソンドン)で生カルメギサルを狙い撃ち

2024.6.19

目次

豚肉のハラミ=カルメギサル

鳴き声以外すべて食べられる、と言われている豚肉。
特に韓国では豚肉の美味しさを競うお店がたくさんあります。
旅行客にも知られているのが「サムギョプサル」。
さらに上質と言われているのが「オギョプサル」。5枚バラ肉ですよね。
オギョプサルは皮つきが自慢の証、など聞きます。
これらは脂感もしっかりあるので焼くことで凝縮させ旨味を閉じ込める、
そんな印象です。
一方、今回ご紹介する豚肉。部位はカルメギサル。
カルメギサルって?と思われる方もいらっしゃると思います。
これは日本語で説明するならば「豚肉のハラミ」。
ハラミとは横隔膜の背中側にある部位。
赤身が多く、弾力のある食感でさっぱりいただけます。
通常の赤身よりもカロリーオフ、肉質の良さも味わえます。
あまり知られていないかもしれませんが、
豚1頭でわずか500gほど、しか取れないとも…
いわゆる貴重な部位です☆

광주집(クァンジュチッ)のカルメギサル
細長い印象のフォルム

益善洞にはこれをしっかりいただける専門店が存在します!

生カルメギサルは最初に注文!

こちらのお店、メニューに「生カルメギサル」と書かれています。
これは冷凍肉ではない、という証。
奥を覗くとひたすらさばいています。
ますます期待値が上がる。

15時開店とともに着席です!
店内を見回すとこの案内が。

광주집(クァンジュチッ)の店内にある注意書き
量もアドバイス

そうですよね、ふんだんに提供できる部位ではないですもん…
人数でボリュームも理解できる。わかりやすい。
欲張ってもだめですね。しっかり味わってほしい、
そんな店主の想いが伝わってきます。

路地奥で焼き上げている炭がやってきました。
これを焼き台の端にセット、網をのせます。
網は少しカーブしていて、肉は網が焼けているところに置くように
とアドバイスしてくださいます。

コレ、相当熱いです…夏まっさかりでは汗だく確定☆

광주집(クァンジュチッ)のタレ
タレ系、味変に期待が高まる

タレは最高!タレ、ではなく塩!!!があります。
黄色い粉はきな粉。これは初めての経験。
そのままではあぁ、きな粉、ですが、さてどう化けるのか…

全景!
宴って感じです。カルメギサル以外はすべてサービス。
いわゆるパンチャンです。もやしのチゲも!

광주집(クァンジュチッ)のカルメギサル
楽しさしかありません

カルメギサル、これで2人前の量です。
もうこれだけ食べられれば充分。
これは勝手な持論ですが、希少部位ってホントに一人前の量が少なくて
結局他のものも頼むことが多い。ゆえに希少部位の味は薄れてしまう…

そう、火の弱い真ん中部分にはエリンギを置くのがよいそうです。
店主が見回り隊のごとく目を光らせています。
そろそろひっくり返すように、という合図がありました。

광주집(クァンジュチッ)のカルメギサル
まずは4割焼く、というイメージでしょうか

これにケランチムが時間差で加わります。
あぁ、ホッとする味わい。

黄色が映える

と盛り上がってきたところで焼きあがり始めました。
カットしてじっくり中まで火を通します。

광주집(クァンジュチッ)のカルメギサル
脂は出てきていない雰囲気です。まさに「肉」です

店主がもう食べていいよ、と号令をかけてくださいましたので
実食。

なんですか、この美味しさ。
赤身とはまた違う旨味。しかもしつこくない。
切り方も良かった。小さすぎると火の回りが早くてすぐ焼けちゃうから。
意識して食べたのは初めてです。
あぁ、もったいない。なぜこれに気づかなかったのだろう…
カルメギサル、すごいなぁ・・・
これだけを食べにこのお店へ来る価値あり、だな。

そう、きな粉!これは大ヒット。
粉の甘さが控えめなのでカルメギサルの甘みを引き出してくれる。
それがさっぱりしたあじわいになる。
マネしたくなるな、これは。

私は韓国へ来たらもっぱら豚肉を攻める派なのですが、
新たな食べ方を発見しました。
カルメギサル、を徹底的に食べてみる。
これはおそらく店舗ごとに違いがありそうです。
こちらは1本・生タイプ。さばき方にも特徴がある、とわかりました。

うーむ、奥深い、韓国豚肉事情。
カルメギサル巡り、始まりそうです☆

お店情報

  광주집(クァンジュチッ)の店内  
店名 광주집(クァンジュチッ)
住所 서울특별시 종로구 돈화문로11나길 3
ソウル特別市鐘路区敦化門路11キル3
地下鉄1・3・5号線鐘路3街駅・6番出口・徒歩3分
TEL 02-764-3574
営業時間 15:00-24:00不定休
メニュー 生カルメギサル17,000W(200g),生サムギョプサル17,000W(200g),ビール6,000W

*許可を得て撮影掲載しています
*店舗情報に関してSMTOWN OFFICIAL JAPANにお問い合わせいただいても対応できかねます。直接店舗へお問い合わせください。

藤﨑 聡子 ワインジャーナリスト・撮影構成ディレクター 世界中の食とワインのペアリングについて編集者歴25年以上ならではの目線で追求し続けている。わかりやすい言葉を綴ることで長年のファンが多い。
PROFILE

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