江南(カンナム)で親子3代続く個性あふれる参鶏湯専門店

2024.8.21

目次

薬膳の意味も含む韓国を代表する料理・参鶏湯とは

日本では夏になると英気を養う意味もこめて
うなぎを食べる、という習わしがあります。
同じような意味合いとして
韓国では参鶏湯(サムゲタン)を食べる、というのが
古くからの教えになっているようです。

参鶏湯は
・若鶏を使用する
・掃除して取り除いた内臓の部分にもち米や高麗人参、なつめ、ショウガ、ニンニクなどを詰め煮込む
・参鶏湯の言葉の意味は高麗人参の「参」、メイン食材の「鶏」、スープの「湯」を合わせたもの
・薬膳料理のひとつともいわれている

このようなポイントが基本になります。
お店で使用する器に一羽まるごと入るのも特徴です☆
韓国の方にとって
意識して薬膳料理を食べる、ということではなく
疲れたカラダをいたわる意味も含めて自然にこのメニューを選ぶ
という印象が強いですね。
皆さん、好みの味わいもあるようですし。

こちらのお店は江南エリアで親子3代続いている参鶏湯専門店。
その名も三代参鶏職人!
プライドを感じます。
しかもこのエリアはオフィス街なのでランチタイムは常に満席。
時間をずらして訪問されることをおすすめします!

人通りの多い道に面しています

参鶏湯専門店ならではの味わいは緑豆と松の実が活かされている

参鶏湯、とひとくくりにはできないと思うのがこちらのお店の特徴。
煮込むスープ、食材、など
個性にあふれていると思います。
そしてすべて門外不出。一子相伝に近い秘法で
受け継がれている味わいなのです。
一番人気はこちら。

熱々でようやく落ち着いた状態

緑豆の参鶏湯。
緑豆はよく聞く食材と思います。
市場へ行くと石臼でこの緑豆を曳いている場面をよく見かけますし。
一般的には緑豆、チヂミの生地によく使われています。
この緑豆の参鶏湯は鶏肉の動物性たんぱく質と緑豆の植物性たんぱく質、
これらを両方摂ることができる味わいなのです。

スープは見た目の色合いであっさりしているように感じるかもしれませんが、
そもそも鶏の旨味が溢れているので濃厚です。
非常に深い味。
グツグツしていてもスプーンですぐにすくいたくなるほど魅力的。
鶏肉はしっとり仕上がっていてスープとよくからみます。

もう一つの人気メニューはこちら。

濃厚な乳白色、が特徴です

松の実の参鶏湯。
韓国では松の実はとても貴重な食材として知られています。
特に体調がすぐれない時に摂取すると良い、とされていて、
代表的なのは松の実のお粥。
また韓方茶にも入っていたり、と
カラダを気遣う場面では必ず登場します。
その松の実を惜しみなくすりおろし、香りも引き立てているのが
この松の実の参鶏湯。
クリーミーなナッツの印象を与えてくれます。
召し上がり方としてはスープを味わったあと
先に生の千切りになった高麗人参を食べてみてください。

香りが豊かな千切り高麗人参

それを食べながら鶏肉を小皿に取り分けて味わうのが良いと思います。
そしてこの松の実参鶏湯は通常一緒に煮込まれているもち米が
別添えになっています。
様子をみてスープをもち米にかけて召し上がってみてください。

もち米、少なく見えてボリュームあります

自分で作るお粥、のようなイメージです。
これはもち米のもっちりした味わいと松の実のスープの濃厚さが
非常によく合います。初めての味わいに近い、と思う方も多いと思います。

韓国における薬膳料理・参鶏湯。
こんなにも気軽に、日常的にいただくことができるって
幸せですね☆

お店情報

店名 3대삼계장인(三代目参鶏職人)
住所 서울특별시 서초구 반포대로28길 56-3
ソウル特別市瑞草区盤浦大路28キル56-3
地下鉄2・3号線教大駅・14番出口・徒歩7分
TEL 0507-1465-2294
営業時間 10:50-22:00 不定休
メニュー 緑豆の参鶏湯19,000W、松の実の参鶏湯19,000W

*許可を得て撮影掲載しています
*店舗情報に関してSMTOWN OFFICIAL JAPANにお問い合わせいただいても対応できかねます。直接店舗へお問い合わせください。

藤﨑 聡子 ワインジャーナリスト・撮影構成ディレクター 世界中の食とワインのペアリングについて編集者歴25年以上ならではの目線で追求し続けている。わかりやすい言葉を綴ることで長年のファンが多い。
PROFILE

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