ソウル聖水(ソンス)のディナーはプルコギとビピンパの進化系で!
目次
おしゃれな街、聖水(ソンス)でディナー!どこに行く?
韓国に来たからには韓国料理が食べたい!
誰もが願う食かと思います。
特に日本でもよく知られているメニューは
本場の味を食べてみたくなる。
ここ、聖水(ソンス)は古い街でありながら、
トレンドの情報配信のエリア、としても注目されています。
食に関しても同様、韓国伝統料理だけれど、
そうきたか!というビジュアル(盛り付け)や
その組み合わせ、ありそうでなかった!など
発見があるのです☆
新旧、さまざまなスタイルがあるなかで、
コレはお勧めしたい!と思うレストランを発見しました。
ぜひ味わってみてください。
プルコギときのこのマリアージュ:ポソッチプのプルコギジョンゴル
店舗名 | : | 버섯집 ポソッチプ |
---|---|---|
住所 | : | 서울특별시 성동구 왕십리로5길 9-10 ソウル特別市城東区(ソンドンク)往十里路5ギル9-10 水仁盆唐線ソウルの森駅・4番出口・徒歩5分 |
TEL | : | 02-3409-8887 |
営業時間 | : | 11:00-15:00, 18:00-22:00(21:00L.O.) |
定休日 | : | 日 |
メニュー | : | キノコプルコギチョンゴル(2人前から)1人前17,000W、ご飯別途 |
お店の名前はポソッチプ。
キノコの家、という意味の韓国語。
その名の通り、きのこ一択です。
加える素材はプルコギ。
毎朝オーナーが自ら仕込む、鮮度抜群のスライスされた牛肉。
柔らかい甘味のタレに漬け込んでいます。
8種類のキノコは、白キクラゲ、黄金キクラゲ、黒キクラゲ、シイタケ、エリンギ、ブナシメジ、白ブナシメジ、エノキダケ。
センターには旨味をまとった牛肉。
よく見かけるプルコギはもう少し赤身が強く、しっかりした味わいを想像されると思います。
こちらは牛肉そのものの赤身色。
味付けは肉の旨味を引き立てる程度のさっぱりした感じ。
しかも火入れしていくと余分な脂分が落ちるので、
本当に美味しさしか残らない。
鍋の溝に注がれている出汁はいろいろな果物、野菜、牛骨、牛の胸肉など
時間をかけて煮込んだ、旨味の凝縮したもの。
これにキノコが火入れされたことによって生まれる
複雑な旨味が加わることで
バランスの良い味に変化していくのです。
牛肉部分は色が変わってきたところから崩していただきます。
出汁も忘れずに。
牛肉のタレ、これが出汁にバランスよく加わるので
もう一口欲しくなるのです。
なにもかも、うまい!
このようなキノコの鍋、
なぜ、日本ではお目にかかれないのでしょうか…
とてもシンプルなものなのに☆
味付けの濃いものが多いと思われがちな韓国料理ですが、
時間をかけて丁寧に出汁をとったもの
調味料をあまり使わず、素材の旨味を生かしたもの
シンプルさを追求したもの、などなど
まだまだ知らない韓国料理の世界があると思った次第です。
チャンジャとたっぷり生肉に注目:ソンスオンシルのパスタ&ビピンパ
店舗名 | : | 성수온실 ソンスオンシル |
---|---|---|
住所 | : | 서울특별시 성동구 왕십리로 4길 26-14 ,2층 ソウル特別市城東区(ソンドンク)往十里路4ギル26-14,2F 地下鉄2号線トゥクソム駅・7番出口・徒歩3分 |
TEL | : | 010-6668-7786 |
定休日 | : | 火曜日 |
営業時間 | : | 11:30-15:30(14:45L.O.)、17:00-21:00(20:15L.O.) |
メニュー | : | チャンジャとえごま油のパスタ14,900W ユッケビピンパ11,000W ドリンク8,000W~ |
韓国料理の世界は2つの見え方があるな、と感じています。
ひとつは家庭の味。
母親の味、という意味もあります。
韓国スタッフに聞くとやはり母の味ってミシュランよりもレベルが高い、と。
いろいろな雑誌やメディアで取り上げられても一番おいしいのは母の味。
母の手のぬくもりが感じられるものこそ三ツ星だと熱く語られます。
もうひとつは進化した味。
伝統の良さ、母の味は理解したうえで、
さらなるインスピレーションを表現したモダンな味わい。
お皿の選び方ひとつとっても斬新。盛り付けもかなりの工夫。
へぇ、これがモダンコリアンなのか、とワクワクしてくるイメージ。
そんなことを考えながらスタッフが連れて行ってくれたレストランがこちら。
ソウルオンシル、です。
SNSにもなかなかでてこない、隠れたレストラン。
聖水駅のお隣・トゥクソム駅から3分なのですが…
店内入って周りを見渡すと、それは何?!というプレートを
どのテーブルもオーダーしています。
迷わずセレクト。
日本語にすると
チャンジャとえごま油のパスタ。
韓国海苔、チャンジャ、えごまの葉の千切り。
パスタはカッペリーニ。
それをえごま油でくっつかないようになめらかにまとめている。
パスタの味付けは塩のみ、塩気を感じるかどうかのすごく穏やかな味。
考えたらチャンジャの味がしっかりあるからだ!
韓国海苔とえごまもしかり。
韓国冷麺や韓国風素麺でも試作をしたけれど、カッペリーニの軽い味わいが素材とからみやすい、と着地したようです。
どの食材をみても、「韓国料理」には普通にあるものだし。
それをこのように組み合わせて、盛り付けているのも発想の柔軟さだなぁ。
韓国とイタリアのコラボレーション!斬新だけれどシンプルに旨味が合わさる。
へぇぇぇぇ、面白い。
断言します。
これは一気に混ぜ合わせるのがよいです。
抜群のバランス。海苔の香り、えごまの香り、チャンジャの辛さ、
合わせるとこんなにも美味しさが爆発するのか!
混ぜ合わせることで韓国海苔がしっとりしていきます。
パリパリとしっとり、この両方を食べられるのもオツです。
家に帰って自分でもやってみたい。
韓国での使われている食材、組み合わせ方、盛り付け方、
変えるだけでこんなにもワクワクするのですね。
あぁ、感動。ずっと食べていられる☆
そして。
そうです、こちらのシグネチャーもご紹介しなければ。
パスタのインパクトに持ってかれてしまいました☆
ユッケビピンパ。
他の専門店などでいろいろ食べていますが、この野菜の組み合わせは初!
しかもいろいろ混ざっていないので、シンプルに牛肉の美味しさを味わえる。
混ぜ合わせる前にそれぞれの食材をつまみましょう。
みてください、この牛肉の赤身!
野菜はアルファルファ(よくサラダにトッピングされていますよね)の苦みが
程よいアクセント。
そして韓国海苔とグリーンレタス。
白い素材は梨。ユッケの相方として本当に良い働きをします。
卵黄は上手に脇によせてください!
半分まで食べたらそこで混ぜ合わせる。
こうすることでさっぱりしたユッケビピンパから濃厚なものへと味変できます。
いやはや、このレストランには参りました。。。
見せ方ひとつでこんなにも盛り上がれるなんて。
最後にもう一度パスタをごらんください!
再訪、固く決意、です。
さいごに
ご紹介したレストラン、
きのこ、プルコギ、チャンジャ、パスタ、エゴマの葉、
韓国海苔、ユッケ、と
一度は聞いたことのあるお名前ばかり!
それを盛り付け一つでこのように変化させられるって
クリエイティブ力に頭が下がります。
しかも味わいは正統派。
この「正統派」が大事ですね。
遊びもよいけど、やはり基本の「正統派」を知らなければ、
遊びの味も理解できない。
聖水のレストラン、奥が深いですね。
*許可を得て撮影掲載しています
*店舗情報に関してSMTOWN OFFICIAL JAPANにお問い合わせいただいても対応できかねます。直接店舗へお問い合わせください。
藤﨑 聡子
ワインジャーナリスト・撮影構成ディレクター
世界中の食とワインのペアリングについて編集者歴25年以上ならではの目線で追求し続けている。わかりやすい言葉を綴ることで長年のファンが多い。